TERRA CREWに必要な人物
- 康洋 青木
- 3月20日
- 読了時間: 8分
更新日:3月23日
着々と開発が進む我らTERRACREW(テラクルー)のランクル250デモカー。
その中でふとあることに気づく。
何かが足りない。足りないのだ。
語弊を恐れずにいうなら、それは隠し味的なもの。
なくても一応成立をもするが、無いと確実に素材を引き立てないアレである。
そんな気持ちがあのブランドに声をかけるきっかけとなった。
その名も知る人ぞ知る【56 ONE MAKER】である。
進む開発の中で、ふと感じたこと。
急ピッチで開発を進め、カタチが見えてきた矢先に。アオキはふと思ったのである。
なにかが足りない気がする。
なんでだろ。なんでだろーう。ななな…
弊社はデモカーとしてsubaruフォレスターを所有している。
とあるオフ会に参加した際に出会ったのがデカール界に彗星のごとく現れたブランド
56ONEMAKER(ゴロワンメーカー)である。
まず、このネーミングセンス。一度聞くと、頭で二度復唱する。
もしも私が口伝継承の末裔ならば、ここだけは忘れない。
子孫にはここだけで良いからね~。と伝えてしまうことだろう。
そして何より、デカールなのにパーツのように溶け込んでくるそのデザインセンス。
気付かぬうちに中毒になっている。これはあぶないと五感で感じる。
その日のうちにサンプルを頂き、早速デモカーのフォレスターに装着。
その瞬間に切っても切れないリベラルコーポレーションと56ONEMAKERとの
歴史が始まった。
デカールというアイテムから学んだこと
通常足し算になりがちなクルマのカスタム。そしてパーツ群。
彼のデカールを見ていて、足し算ても引き算でもない、二乗のような存在と思った。
デカールというのはカスタムのエントリーだと思うのです。初めて愛車と言われるクルマと出会い、自分自身の手で何か加えてみたい…自分のイシューを投影させたいと思った時に手を出せるもの。だから私はデカールのひとつひとつに手を抜かない。貼った後に、思わず笑みが出てしまう。そんな製品を提案したいのです。
なんてピュアなんだ。
我々はこんな気持ちでパーツを作っていただろうか。鉛筆舐め舐めしちゃってたんではないだろうか、と。
はっ!と思った。
小学生の頃に自我というものが芽生えた始めた自分は、ビックリマンシールで机をカスタムしていたではないか!集団社会という環境のもと、皆同じデザインの机が与えられ、並ぶ中で、何を貼るか、どこに貼るかを考えていた。
そして貼った後は、そう。ニヤついていたのである。
デカールの持つ手軽さと、その満足度のアンバランスさ。
そこに愛情を注げば、それはもうデカールと言う名の一パーツなのだ。
素早い対応
今思えば意外と早い段階から、彼にはランクルプロジェクトの話しをしていた。
直観で必要と感じていたのだろう。
もちろんデカールがではない。56ONEMAKERが、だ。
しかし、一つ問題があった。それは彼と私たちの物理的な距離。
打ち合わせの結果、手元に車両がある私たちで型紙をつくり、56ワンさんに送る。
それを繰り返し精度を高めて製品化していこうという結論に至った。
素人同然のアオキとリン。
キャッキャッ言いながら型取りを進めるも、これは恐らくうまくいかないだろう...
とお互いの顔が悟っていた。
数回の型取りを経て、見事予想は的中。一向にミリ単位の調整が進まない。
もはや我々には彼を呼び寄せるしか手段が無かった。
そう、56ONEMAKER召喚の儀である。
進むデカールコレクション
後日、多忙な彼をあれやこれやと色々な理由とお土産をつけて誘い出しに成功した我々。
彼は工房へやってきた。
進む型取り。
今まで散々苦労をして型取り気取りをしていた私たち。
これまで使ったマスキングテープ、新聞紙、段ボール、コピー紙たちの追憶。
すまん。このSDGsの時代に。 素直に最初からこうしておけば良かったのだ。
一日で彼の十八番である【クォーターパネル、フューエルリッド、ドアハンドル】
の3点の型取りを終え、その日のうちに彼は去っていった。
ありがとう。
さて次はデザインだ!
56ワンさんによる型取りの数日前に、私たちの下にあるパーツが完成し、工房に入っていた。TERRA CREWの自信作でもあるLEDフォグランププロテクターだ。
このパーツの表面には縞鋼板のテクスチャーがあしらわれている。
よし、ベースはこれでいこう。
ただ縞鋼板デザインはある意味、ベタといえばベタ。
そこで縞鋼板のサイズを何パターンも用意したサンプルをつくり、車両にあてがいながら決めていく。
最終的に車両とのバランスが良いと判断したサイズにて各々を製品化。
カラーを追加して楽しさとアクセントを
前述のようにデカールは楽しさや手軽さの中に個性を求めるもの。
クォーターパネルはロゴ部分に、フューエルリッドとドアハンドルカバーは下地のベースカラーにカラーを設定。
カラーはオレンジ・ライムグリーン・グレー・ネイビーブルーを設定。
これで全てがそろった。
GMG祭前日に全てが揃い車両に装着。
彼は基本的に東海地方を中心に活動しているので、その時はスーパーオートバックスNAGOYA BAYさんの弊社イベントの前日に撮ってもらうことに決定。
そう。何を隠そうこの時にイベントで名古屋に行く際に撮ってもらう大作戦の礎が構築されたのである。
今回の場所も名古屋。このタイミングや!!
このような流れでレイジさんに連絡を取り、スケジュール調整できた後は、
事前に車両の概要や撮って欲しいポイントを写真などで伝え、構成は彼に全てを委ねてわくわくしながらその時を待つだけであった。
撮影日はGMG祭の前日に決定。
迎えた3/7の撮影当日。前日までGMG祭に向け我々クルーは、肉体的にも精神的にも疲れ切っていた。だが、我々クルーはなんだかんだでなんとかなっちゃう経験をオートサロンで幾度となく経験してきている。だからこれも想定済みの心地よい疲労だ。 今回初めてPV撮影を経験するクルーのリンは、楽しみでしょうがないらしい。
わかるぞ!その気持ち!! 筆おろしとなる彼の興奮と、純粋にデモカーのランクル250を撮影してもらう楽しみを私アオキも味わっていた。
レイジさんとの待ち合わせ場所は鈴鹿PA。朝の5時に出発し、無事に合流。他のクルーとレイジさんの自己紹介もそこそこに、撮影場所へ向かう。そう我々には、会場への搬入というミッションがあり、あまり時間が無いのだ。
鈴鹿山脈の神々から受ける洗礼。
事前にレイジさんと打ち合わせしたロケーション。やはり記念すべきTERRA CREW250の第一回目の撮影はオフロード感のある山道が良いだろう。そこに異論の余地はない。
レイジさんの車の後に続き、オススメの鈴鹿の山道をどんどん駆け上がるにつれ、クルーの体に様々な異変が起きていく。
始めはドライバーのリンが
「頭が痛い」と言い出す。
ここは鈴鹿山脈。標高だなと思い、スマホで標高を調べると、
我々の慣れ親しんだ高尾山にも満たない標高…
おかしい。 そうか、ここは伊勢国鈴鹿山。古から神話が多く、神々が祀られている神聖な場所。
土足に近いオフロードタイヤで意気揚々と駆け上がる我々を神々が良く思うはずはない。
祈り、称えよ。リン! 伊勢神宮に何度もお参りしてる俺は大丈夫なんだよ!リン! ふと横をみると、涙目で鼻汁が垂れていくリン…
もはや掛ける言葉は見つからぬ。
私も共に祈ろうぞ。
なんとか撮影場所の山中に到着して、クルマを降りる。
リン化したレイジさんの姿と神々しい杉の巨木を見上げた時に悟った。
すげー花粉飛んでる。黄砂みたい。むしろ木々から差し込む太陽の光りで結晶が綺麗~!
と。
レイジ、リン、コマツ…終了。
皆で乗り越えた撮影
花粉という神々の贈り物を頂戴しながら、進む撮影。
レイジさんはそんな状況でも、一切の妥協をしない。まさにプロフェッショナル!
感心するのは現場において、シーン撮影に時間を費やし、考えることに時間をさほど割かない点。これは頭の中で編集から完成までをイメージ化できているからだと思う。
或いは予め想像と熟考をしたうえで臨んでいるのかもしれない。 こうして稼いた時間を走行撮影に費やしたり、ロケーション変えに余すことなく振り分けていく。限られた時間の中で、良いシーンを納める。これもクオリティを上げる重要な要素なんだと感じた。
私アオキも少々カメラ好きではあるが、費やした時間の割に同じような画像が並んでしまうことが多いからなおさらである。
出来る人ほど、要領が良い。動画撮影はそれが露骨にわかる現場だ。
こうして完成したテラクルー初のPVがコチラ!
撮影に集中すると、もはや花粉は敵ではなく、例えるならナウシカの腐海の底の砂みたいな存在になったのであろう。意識する者はいなくなった。(ような気がする)
リンが楽しみにしていた走行撮影も無事に終了。彼のあきらかに満足気な表情とは裏腹に、道の休憩所に残されたアオキとコマツは、寒さと空腹に顔をゆがめていたのは言わずもがななだ。(コマツは花粉も)
こうして、TERRA CREWとして初となるPV撮影を終え、無事にGMG祭の会場へ車両の搬入を終えた我々。 後日、Reiji氏がTERRA CREW映像担当クルーとして参加が決定。結束を新たに次のステージをへと駒を進めた我々であった。
Comments